糖尿病性合併症の予防

 細小血管合併症を防ぐためには、血糖を下げ厳重な血糖管理を行うことが大切です。一方、大血管合併症の原因となる動脈硬化は、ある程度進んでしまうと、血糖のみを管理しても十分に防ぐことができません。糖尿病に対する食事療法、運動療法とともに、できるだけ早い時期から高血圧、肥満、脂質異常などの危険因子を十分に治療することが重要です。
 また、喫煙は動脈硬化を進めますので、是非禁煙をされてください。早めにこれらの危険因子をふくめた糖尿病治療を行えば、後々の大血管合併症を防ぐことができます。ただし、これらの効果が現れてくるのは先のことですから、ご高齢の患者さんの場合は生活の質を重視して治療法を考えます。
 糖尿病性合併症を予防したり進行を防いだりするためには、降圧薬のアンジオテンシン受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、高脂血症治療薬のスタチンなど、有効とされる薬もあります。ただし、それらの薬はお一人お一人により、必要性、有効性、副作用などが異なりますので、主治医の先生からよくお話を聞いて、きちんと治療を受けて下さい。

 動脈硬化自体をなくしてしまう薬は残念ながらありません。動脈硬化の程度が強い場合は、カテーテルを用いた血管内治療や、外科的治療(頸動脈内膜剥離術、バイパス術など)を考える場合もあります。急に動脈が閉塞すると、脳梗塞(脳動脈)、狭心症・心筋梗塞(冠動脈)、下肢虚血(下肢動脈)などを起こします。これらの病気は突然起こり、命に関わることがあります。主治医の先生とよく相談をして、適切な動脈硬化の予防、治療を行って下さい。

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