心房細動と心原性脳塞栓

 心房細動とは、心房という心臓の部屋が規則正しく収縮できず、細かく震えたように不規則に収縮する状態となる不整脈の一つです。心房細動があると動悸を感じることもありますが、特に症状が無い場合も多くあります。脈を触れてみると脈拍の間隔がバラバラで脈は不規則になっています。
 心房細動になると、心房が規則正しく収縮できず小刻みに震えるために、心房の中の血液がよどんだ状態となり、血の塊(血栓)ができやすくなります。その血栓がはがれて心臓から脳の血管に流れ着いて、脳の動脈を詰めてしまうと脳梗塞(心原性脳塞栓)を起こします。
 心房細動は一時的に起こりまた治ってしまう場合(一過性心房細動)と持続的に起こっている場合(慢性心房細動)があります。また、心臓の弁に異常があり心房細動を起こす場合と、弁に異常なく心房細動を起こす場合があり、後者を非弁膜症性心房細動と言います。高齢になればなるほど非弁膜症性心房細動の頻度が増え、心房細動を有する患者さんは、高齢になればなるほど脳塞栓を起こしやすくなります。
 脳塞栓では、通常太い血管が詰まることが多く、また突然詰まってしまうために、脳の血流が途絶えてしまい大きな脳梗塞を起こします。そこで、心房細動をお持ちの方は血栓を予防する治療が必要となります。高齢者、高血圧、糖尿病、心不全を有する患者さんは脳塞栓の危険性が高く、予防が必要となります。予防は通常、ワーファリンという血栓をできにくくする薬剤(抗凝固薬)を用いて行います。心房細動をお持ちの方は、かかりつけ医とよく相談をして、必要な治療を受けて下さい。

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